理事長挨拶
公益財団法人 森田奨学育英会
理事長 川添 堯彬
森田奨学育英会は、1966(昭和41)年設立以来、奨学金貸与給付を通じて、次代の歯科医療を担う優れた人材の育成に寄与することを目的として今日まで育英事業を継続してまいりました。
日本の歯学専門教育機関における歯科医学教育は明治時代に始まりますが、戦後の食生活変化による国民の歯科疾患急増と1961(昭和36)年の国民皆保険達成で歯科診療が受けやすくなったとことにより歯科医師の増員が望まれ、1966(昭和41)年から全国で歯科大学及び歯学部設立が相次ぎ、1979(昭和54)年には現行の29校が揃いました。
本財団は設立以来、国内の歯科大学及び歯学部に対し、公平に奨学金を支給することとし、各校ごとに同人数枠を設けて、また、評議員は全対象大学から推挙された先生方により構成され、教育の機会均等をはかっています。
優秀な素養と勉学の志を持ちながら、経済的な理由により就学の機会を逸する学生を少しでも支援し、就学に取り組む環境を整えることにより、日本の歯科医学を担う人材の育成に寄与することを目的とし、歯科界の更なる発展を願い、今後も事業に取り組んでまいります。
設立の経緯
設立者 森田 五郎
日本の歯科器材発展と普及に尽力した設立者 森田 五郎(当時森田商店及び森田製作所会長)は、長年歯科業界に携わるにあたり「歯科で得た恩は歯科に返す」という信念のもと、歯科医師を志しながらも経済的理由によって修学が困難な学生に対して援助を行うことで、社会に有用な人材を育成し、歯科医学のさらなる発展に寄与することを願い私財提供を決意しました。
その趣旨に賛同頂いた長尾 優先生、杉山 不二先生、鈴木 勝先生を財団設立の発起人に迎え、モリタグループ(森田歯科商店・森田商店・森田製作所)の総意として1966(昭和41)年モリタグループ創業50周年の好機に歯科業界としては初めての育英奨学事業として文部省(現在の文部科学省)より認可されました。
モリタグループ創業以来の社訓「四恩」(思恩)の精神の表れとして、50余年に渡り継続し、多くの学生の方々を支援してまいりました。